【レビュー】2025年までに日本が財政破綻!?『この国の未来に賭けてみよう』を読んでみた

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河合雅司「未来の年表〜人口減少日本でこれから起こること」を読んで

日本の未来が気になってしまい、

引き続き日本の未来について書いてある本、

中村和己(なかむら・かずみ)著 『この国の未来に賭けてみよう』を読みました。

 

著者

日本たばこ産業株式会社(JT)へ入社した後、コンサルとして働き、現在は事業調査会社を運営されている方のようです。

 

事業調査会社とは

「世の中の情報をデータベースに蓄積し、過去の事例をもとに未来のシナリオを予測。

それをもって企業の事業を支援をしている」とのこと。

 

要は、普段から企業のビジネスを支援するために未来予測をお仕事にされている方が

日本全体の未来を予測したというのが、この本のようです。

 

テーマ

河合雅司著『未来の年表』が広く一般人向けに書かれていたのに対し、この本はおそらく10代〜30代位までの若者に向けて書かれています。

 

企業経営についての話も多く、経営者をメイン読者層としてターゲットにしているのかな?という印象を受けました。

 

本は4章構成になっており、内容は

 

・日本財政はあと数年でほぼ確実に破綻するということ。そしてその理由(著者は根拠を示し、遅くとも2025年までに財政破綻が起こるとしています)

 

・日本で財政破綻が起きると、具体的にどういったことが起こるか(インフレ、中央省庁の解体、年金のカット、行政サービスの消失…etc)

 

・上記を踏まえ、財政破綻後の世界で企業はどうビジネスしていくべきか

 

・従業員を長期雇用して経済を停滞させる原因になった、日本型の経営は続くのか?終わるのか?

 

・日本企業は今後どうしたら変革を成功させられるか

 

ということについて、書かれています。

著者のメッセージ

全編を通して、従来型の日本企業の中高年男性や、社会保障費を消費している高齢者への批判を強く感じます。

 

また、「財政破綻まで時間がないので、日本企業は急いで自己を変革せよ。」というメッセージがビシバシと伝わってきます。

 

(私のようなイチ事務職会社員には企業経営に関わる機会がないので、

こんなに熱心に書いてくださっているのに何もできなくてなんか申し訳ない…という気分に^^;)

 

※財政破綻後の世界では自治体は成り立たなくなり倒れるため、企業が社会を牽引していかなければ日本が先進国から脱落していくそうです。

 

しかし現状の日本企業の経営レベルは著者的に見て低いため、変革が必要と述べています。

 

 

私が面白いと感じた点

まず、2025年までに日本が財政破綻するって主張、かなりインパクトがありますよね?

2025年って結構もうすぐじゃないですか…。

 

しかし、いわゆるトンデモ本ではなくちゃんと論理的に根拠が述べられている本なので

読みながら「ああ、やっぱり日本の財政はもたないのかもしれないなぁ。」と納得してしまいました。

 

現在30歳である私は

「そのうち、日本が財政破綻するかもしれない。ということを前提に人生設計をしていかなければ…」という心構えができたので、この本を読んでよかったと思います。

 

あと普通、財政破綻というとネガティブなイメージがあると思うんですが、「若者にとってはさっさと財政破綻した方が良い。」と書かれているのが印象的でした。

 

著者いわく「財政破綻が待ち遠しい」とまで。

 

今まで財政破綻したら悪いことしかない、と思っていたので、(若者にとっては)そうとも限らないんだなぁ…と。

 

以下は本書の引用です。

  財政破綻というと不吉な予兆が感じられるが、実は、現役世代にはあまり影響がない。 ポイントは「破綻 するのは自治体であって、企業ではない」という単純な事実にある。現在の企業が抱えている負債は大きくないし、企業の経営状況に大きな問題はない。破綻するのは、自治体だけである。次に、もし仮に自治体が破綻しても、現役世代にはあまり影響がない。現役世代は病院には通わず、年金も受給していない。 財政が動揺すればインフレが始まるが、賃金はインフレに合わせる形で上がってゆくので、やはり大きな 影響はない。また、50 代まではあまり大きな貯金を持っていないので、預金が蒸発する悪性インフレを 恐れる必要もあまりない。さらにスタグネーション(不況+失業)が到来する危険はあるが、仮にスタグネーションになっても、現在では労働力が不足しているため、不況の可能性はあっても失業の側はあまり 深刻にならないだろう。つまり、現役世代の不足感は続くので、若い年齢になるほど、不況になっても仕事には困らない。

要は、今まで高齢者ばかり優遇されて若者は搾取されて不平等だったけど、

財政破綻したら国も今までどおり高齢者に年金や医療費が払えなくなるから、

不平等が是正されて若者にとっては良い世の中になるよ、ってことみたいですね。

 

10代〜30代位までの若者には必読の書ではないでしょうか。

 

その他にも、

 

・公務員は今まで人気のある職業だったが、財政破綻したら解雇や低賃金になる

 

・働き方改革の同一労働同一賃金は、非正規社員の給料を正社員に合わせて引き上げるものではなく、正社員の給料を非正規社員に合わせて引き下げることを念頭にされているもの

(ガーン!正社員の自分はショックです)

 

・日本の会社の、新卒一括採用してから定年まで解雇しないという長期雇用が日本経済の停滞を招いた

 

・海外から借金していたギリシャの財政破綻と、日本国内から借金している日本の財政破綻は性質が違うので、日本の財政破綻の場合は外国には助けてもらえず、自国でインフレを起こして解決するしかなくなる

 

など、私が知らなかったことが沢山書かれており、非常に示唆に富む内容でした。

 

会社に長期で雇用してもらえることは人生が安定して個人にとっては良さそうなイメージがありますが、

 

その反面、労働市場の流動性がなくなるので、新卒で就職した会社を辞めたら転職が難しくなってしまい、ブラック企業が氾濫する原因となっているという話は、よく聞きますよね。

 

それが、経済を停滞させてしまう原因にもなっていたとは…。

 

総合的に見て労働市場はもっと流動的になった方が良いのだとは思いますが、ひとつの会社だけが流動的にしたとしても、

 

会社を辞めた人たちが他に就職できず困ってしまうので、やるなら日本の国全体でいっせいにやるべきなんだろうなぁと思います。

 

(椅子取りゲームでひとりだけが立って他の全員が座ったままだったら、行き場がなくて困ってしまいますよね…)

 

 

そして、やはり物価がインフレになる可能性が高いであろう将来が見えてきたので、個人でインフレに対策するための方法も、次回考えていきたいところです。

 

 

以上、『この国の未来に賭けてみよう』のレビューでした。